2026.08.13
税務的な毎日
令和8年10月~ インボイス制度の経過措置【消費税】
令和8年度税制改正において、インボイス制度に関する経過措置の見直しが行われました。
インボイス未登録事業者との取引について認められている仕入税額控除の経過措置は
これまでは、令和11年9月末までに終了する予定でした。
しかし今回の改正により、経過措置の適用期間が延長されるとともに、
控除割合がさらに段階的に縮小される仕組みへと見直されています。
インボイス未登録事業者との取引がある消費税課税事業者にとっては、
将来的に控除できる消費税額が徐々に減少していくことに変わりはありませんが
その影響は当初予定よりも緩やかになります。
そのためこのタイミングで、請負金額や賃料の見直しについて協議を求められるケースもみられます。
今回は、あらためて令和8年度税制改正の改正内容をお伝えします。
今回の改正は大きく分けて「仕入税額控除の経過措置」と「2割特例の見直し」の2点です。
1つ目は仕入税額控除の経過措置の変更です。
インボイス未登録事業者との取引に係る仕入税額控除の経過措置が変更されました。
これまで、消費税課税事業者が自身の消費税申告を行う際
インボイス未登録事業者との取引に係る売上げについては
令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、その後令和11年までは50%を控除できる予定でした。
しかし改正後は、以下のように段階的に縮小されることになります。
令和8年10月 ~ 令和10年9月 70%控除
令和10年10月 ~ 令和12年9月 50%控除
令和12年10月 ~ 令和13年9月 30%控除
インボイス未登録事業者との取引を継続している場合には、
消費税負担の分担について改めて検討が必要になるケースもあるでしょう。
これまで経過措置の終了時期を前提として取引条件を調整していた事業者にとっては
影響を確認しておきたい改正です。
2つ目は、2割特例の見直しです。
免税事業者からインボイス発行事業者となった個人事業者向けの「2割特例」が見直されました。
この特例は令和8年9月30日を含む課税期間までが対象でしたが
改正後は個人事業者に限り、
令和9年分及び令和10年分について「3割特例」が適用できることとなりました。
これにより、小規模な個人事業者の消費税負担が急激に増加しないよう配慮されています。
一方で、この2割特例の見直しは法人には適用されません。
法人が2割特例を利用できるのは従来どおり令和8年9月30日を含む課税期間までとなるため
個人事業者との違いに注意が必要です。
インボイス制度は導入から数年が経過し、制度の定着とともに経過措置の見直しが進められています。
当初計画していた売上が見込めなくなっても、自社の経営を健全に行うことができるかどうか。
価格交渉の際には、必ず事前に資金繰りを確認しておきましょう。
