2026.09.03
家督相続 〜円満な相続のために〜
民法改正で変わる「後見」 ~令和8年法律第45号が成立~
令和8年6月「民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)」が成立・公布されました。
施行日は内容ごとに異なり、令和9年以降、順次施行されていきます。
今回の改正は一言でいうと
①「成年後見制度を本人の必要な範囲で利用できる制度に改める」とともに
②「遺言をより利用しやすく、デジタル化する」ための改正です。
今回は、①成年後見制度の見直しについてご紹介します。
成年後見制度が大きく変わります
現在の成年後見制度には、「成年後見」「保佐」「補助」という3つの制度があります。
今回の改正により「後見」と「保佐」が廃止され、「補助」の制度に一元化されます。
現在の成年後見制度については、
「本人の判断能力が回復しても制度を終了しにくい」
「本人に必要な範囲を超えて、必要以上に長期間が続くことがある」
といった問題が指摘されていました。
例えば、認知症の相続人がいる場合、
遺産分割協議を行うためには成年後見人を選任する必要が生じることがあります。
しかし、一度成年後見制度を利用すると、その後も長期間にわたって制度が続く可能性があるため
制度の利用をためらい、結果として遺産分割が進まないケースも見受けられます。
今般の改正にて整備・創設される「補助の制度」「特定補助の仕組み」により
「不動産の売却だけ代理してほしい」「預貯金の管理だけ任せたい」というニーズにも対応することができるようになります。
補助の制度・・・・・・必要な事項についてのみに、代理権・取消権を付与する制度
特定補助の仕組み・・・法定の重要な財産行為について、いずれも取消可能とする仕組み
現在の「後見」に相当する者を利用対象とする
さらに、制度を利用した後、本人の判断能力が回復していない場合であっても
裁判所の許可によって制度の利用を終了できる仕組みも設けられます。
そのため、遺産分割を行うために制度を利用し、遺産分割が終了した後に制度の利用を終了する
といったことも可能となります。
本人の状況に応じて、本人にとって必要な期間・範囲で利用しやすい制度になるように感じられます。
今回の改正は、高齢化や単独世帯の増加など、家族の在り方が大きく変化する中で
「本人の意思や権利を尊重しながら、必要なときに、必要な範囲で支援する」という考え方を
より重視した制度への転換といえるでしょう。
今後の相続や財産管理にも関わる重要な改正であることから
弊社においても、今後の施行に向けて最新の情報をしっかりと把握し
お客様への適切な情報提供に努めてまいります。
参考HP:法務省 「民法等の一部を改正する法律」(成年後見及び遺言の制度の見直し)について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00410.html?utm_source=chatgpt.com
法務省 民法等改正法の概要 P1、P2
https://www.moj.go.jp/content/001465481.pdf
